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2016-04-18 設計の考えかたがわかる視点について

コンパクトな住宅を計画するときを例にあげると、できるだけ廊下を作らないか、通るだけのスペースにしないで多目的なスペースにするようにします。(敷地の形状によってはある程度ままならないこともありますが。)また、来客があった時にどのくらい親密なのかによって入れる領域が異なります。セールスマン、ご近所さん、友人、子供の友達、親戚などをイメージしてみてください。玄関までなのか、リビングまでなのか。トイレを使うのか、風呂や洗面も使うのか。集合住宅やよくある住宅の間取りでもこういったところがが整理されていないものが少なくありません。トイレ、階段、風呂洗面の位置がこういったプライバシーを保つのに重要なので、特に気を使います。多目的なスペースを設ける時も、そこを使う人の親密さのレベルが高ければ共有しやすいでしょう。反対に、あえて顔を合わせることによって親密さを増すように誘導することもあります。そのようなことは各々の家庭によって考え方がまちまちで、一つの正解はありません。集合住宅や建売住宅とは異なる、注文住宅ならではの事情といえます。

 
少し複雑になると、店舗併用住宅というものがあります。住宅街のパン屋さんとか、町のお医者さんとか、不動産屋さんといった、住宅と職業が同じ場所にある場合です。不特定多数のお客様が来店されるので、同じ場所にあるからこそ、住宅部分と店舗部分の区分けを徹底しないと、自宅にいても安心して休んだりくつろいだりすることができません。さらに、建物を使う人が多くなるほど、サービスを提供する側と受ける側の区分けがはっきりしてきます。ショッピングセンターでも買物をするところの他に、見えないところに荷降ろし加工保管をするための大きいスペースがあります。オフィスビルやコミュニティセンターでも利用者が使う階段とエレベーターの他に清掃や搬出入に管理会社が使う階段やエレベータがあり、これらは非常時でなければ利用者は使いません。
 
実は家族で使う住宅が一番この区分けがあいまいなのですが、ちょっと立ち止まって考えて、このスペースはだれとだれが使うのか、一つの用途で良いのか、大きすぎないか、小さすぎないか、といったところを見直すことで提案できることが見えてきます。部屋を小さくしても、みんなで使えるデスクコーナーがあれば十分かもしれません。自分の家をつくるまえは、賃貸住宅や集合住宅に住んでいる方がほとんどで、これらのプランは標準化された使い勝手で作られています。はじめて住まいをつくるご家族は情報を集め始めると、吹抜けとかキッチンや浴室とかウッドデッキなど、わかりやすいものに目を奪われがちですが、こういった視点で色々なプランを見ると、設計の考えがいきいきとしてくるのではないでしょうか。